こんにちは!こんばんは!女性営業マンとして日々奮闘している「なっちゃん」です!
いつだって新入社員は一定の割合で辞めていきます。
残念ながらこのデータはここ20年もの間、大きな変化がありません。
なぜでしょう?
人も時間もコストをかけて採用した新入社員が辞めるのをどうにかしたい、とお考えの方も少なくないかと思います。
実は早期にしても3年後にしても「退職する理由」はほとんど変わりません。
また、今従業員の中で辞めたいと考えている人たちの主たる理由も同じです。
一度のミスを指摘しただけで「向いていない」「もう終わりだ」とまで落ち込む若者。
自分が言われて頑張れた言葉を、若者にそのまま言ったら嫌われる上司。
「さとり世代」と呼ばれる若者、そしてまた新しい時代の若者を迎えて、企業はどのような対策をしていけばいいのでしょうか?
新入社員のための対策は、他の従業員のための対策に繋がるかもしれません。
目次
「達成感」がほしい新入社員。
もうそろそろ、新入社員が入ってくる季節が近づいてきた。冬が明ければまた新入社員が入ってくる春がやって来ます。
しかし、その影では依然として、3年以内に3割の大卒の新卒は辞めるというデータは根強く残っています。(高卒は4割、中卒は6割強)
しかし、実は新入社員の早期退職は職種に因るところも大きく、SE、外食・施工関係、量販店など、昔から離職率の高い職種も存在します。
他にも「この仕事になんで新入社員を配属したの?」というケースもあるそうです。
早期退職にはそれぞれの状況があるかと思います。しかし、その胸中を聞いてみると、その主たる理由というものは、共通しています。
今回はエン・ジャパンが2019年9月に行った調査から読み取っていきたいと思います。
1、「給与が低かった」(46%)
2、「やりがい・達成感を感じない」(43%)
3、「人間関係が悪かった」(34%)
4、「企業の将来性に疑問を感じた」(34%)
5、「残業・休日出勤など拘束時間が長かった」(33%)
5の拘束時間に関する回答以外は全て根底では繋がっているのでしょう。
理想論を述べるなら「どのような職場であってもこうのような不満を満たすような職場であれば新入社員がすぐに辞めなくなる」と言えるのでしょう。
ではどうすればいいのでしょう?
「やりがい・達成感」を求める新入社員。
全ての退職理由はつまるところ人間関係に起因すると言っても過言ではないでしょう。
現代の若者はどんどんと合理的になっていき、たとえ仕事が楽で給料が良くても、社風や上司、同僚が自分の信念と合わなければ辞めてしまうのです。
マンパワーグループが2019年9月に実施した入社2年目までの22〜27歳の正社員に聞いた調査によれば、
「やりがいを感じない(11.8%)」「ほとんどやりがいを感じない(19.8%)」が合わせて31.6%います。
ちょうど30%で、辞めてしまう新入社員(大卒)の割合とほぼピッタリですね。
ここには1年目に辞めてしまった人が含まれないため、実際にはこの3分の2の人が辞めていき、その残りの人は不満を何かしら抱きつつも、続けているのだろう。
しかし、面白いのはここからでした。
「やりがい」とは、〇〇されること。
どう調査ではさらに「どんなときにやりがいを感じるか」について聞いています。
1、仕事の成果を認められる(37.6%)
2、仕事をやり遂げる (34.7%)
3、自分の成長を感じる (34.7%)
つまり、これって
「仕事をやり遂げた!」
認められた!褒められた!
もっとやってみたい!
上記のようなステップを踏む、ということなんです。
これは、逆を言えば、このステップが踏めなければ、それだけやる気も自信も湧き上がることがなく、ただ怒られるだけのロボットのような気持ちになってしまい、やがて離職に繋がっていくのです。
60.8%の新入社員は辞めるつもりがない。
@人事が2019年に行った内定先企業のある新卒487人を対象にしたインターネット調査によれば、内定している段階で「辞めるつもりはない」と答えた人の割合は60.8%という結果が出ました。
そして、「半年から1年未満」「1年〜3年未満」と具体的な退職時期を想定しているのは24.4%という結果が出ました。
なので、新入社員が辞める事態はある程度は避けられないことと言えるでしょう。
ですが、やはりほとんどの人は辞めるつもりはありません。
会社に定着させるようにするためには何が必要なのでしょうか。
新入社員を辞めさせない対策8選+α

対策1、上司と新人のギャップを理解する。
現代ビジネスのサイトから上司世代と新人世代の食い違いについて、こんなまとめがありました。
1、メールより口頭
2、自己表現が苦手
3、熱いことが好き
4、上の言うことは絶対
5、飲むことで一体感
1、デジタルネイティブ
2、自己表現が得意
3、基本的に受け身姿勢
4、向上心がない
5、車や旅行に興味がない
デジタルネイティブ(世代) (digital native) とは、学生時代かからインターネットやパソコンのある生活環境の中で育ってきた世代。
Wikipediaより引用
これに必ずしも当てはまらないことはありますが、こういった特徴の違いから、仕事や働き方、考え方のの食い違いが生まれ、それが退職の引き金になることもあり得るので、頭に置いておくことよいでしょう。
対策2、具体的な指示をだす。(内容、目的、納期など)
会社には、社員が知らずに守っている暗黙のルールというものがあり、誰しも働き始めた頃はそれに振り回されることがあったかと思いますが、働いていくうちにいつしか慣れてしまい、気にしなくなっています。
しかし、新入社員達はかつての皆さんと同じようにそれに困っているケースが少なくありません。
具体的には「納期、目的、内容」に関してです。
特に「納期」「目的」に関しては抜けていると、「これやっといて」という状態になり、モチベーションを大きく下げてしまいかねません。
なので、「目的」を端的にでも伝え、「納期」はいつまでなのかを設定すれば、新入社員でも自分で考えて処理することができるようになります。
対策3、×→武勇伝 ◯→失敗談とそこで得た知恵
新入社員がゲンナリしてしまう原因の大きな理由として、上司の武勇伝があります。
中にはそんな武勇伝を聞いてあまりのブラックさに幻滅してしまう新入社員もいるそうです。
そこで、では、上司はどのようにしてコミュニケーションを取っていけばいいのか?それは「失敗談」を話すことです。
特に今から新入社員が取り掛かる仕事に対して自分が新入社員のときに犯したミスを話し、そこから何を学び、どのようなことに注意すればいいのか、という話を添えてみて下さい。
そうすれば新入社員は、ミスをしてもそこから上司のような存在になれる希望が持てるだけでなく、同じミスをしないようにできます。
対策4、新入社員にミスをさせない。
これまでの対策1〜3にも通じますが、新入社員にはできる限りミスを起こさせないようにします。
しかしミスは必ず起こるものです。「ミスさせなければ、何も学ばないじゃないか!」という声も聞こえますが、確かにミスからしか人は学ぶことはできませんが、実はミスの前には重要な下準備が重要なのです。
右も左もわからない、ましてや会社で働く自信なんて全くない新入社員には失敗はただただ自尊心を傷つけるだけの経験になってしまいます。
そうすると、早期退職に繋がってしまうので、自信がある程度育つまでは、ミスは起こさせない工夫をしましょう。
対策5、小さな仕事から任せて、成功体験を積み重ねる。
ミスから学び、次の成功につなげていくためには自信とプライドが必要です。
その自信とプライドを育むためには「成功体験」必要なのです。
新入社員に任せられる仕事は限られています。
あるプロジェクトのミスが出てもフォロー可能な一部分を任せるなどして、仕事の全体像や、仕事内容、プロジェクトの進め方などを学びながら、そのプロジェクトの成功にコミットさせることがポイントです。
しかし、あまりに小さな成功体験、「あれ取ってきて」や「これコピーしといて」などの単純すぎる作業は逆に人間としてのプライドを傷つけかねないので、注意が必要です。
研修での経験などから「ここの部分完成させて」とか「これどうしたらいいかあとで意見ちょうだい」とか、少しの判断の余地があれば終わった後の達成感や、会社に対する従属感も生まれます。
それが、この会社で頑張ろうと言う意欲にも繋がってきます。
そういった成功体験を積み重ねられれば、新入社員の自信を少しずつ積み重ねられますし、徐々に仕事に前のめりになっていきます。
そうすると、いつか犯してしまうミスにも対応できる力がついてきます。
対策6、一人前の“ように”扱う。ミスはカバーする。
これはコーチングの技術の1つで、まだ半人前の新入社員に仕事を任せる時に重要なのは、一人前の「ように」扱うということです。
新入社員はもちろん、まだ一人前ではありません。しかし、周りの社員と同じように扱います。ただし、ミスの質や量は違うので、そこは配慮して、あくまでも、一人の社員として、平然と仕事を任せます。
志を高く持って入ってきた新入社員はいつまでも「新人君」というようなレッテルを貼られ続けることを嫌います。
「何もできない新入社員」という画一的なレッテルを貼り続けることはその人のモリベーションを下げ、それがキッカケで生産性も下がるので、その人にとってはほんの少しだけ過大評価にも見えるレッテルを貼ればその評価に見合うよう頑張る意欲も湧いてきます。
対策7、褒める。認める。お礼を言う。
成功体験をしたら、どんな小さなことでも、それをしっかりと認めて、褒めて、ありがとうと、お礼を言いましょう。
なんでそんなことをしなければ、と思う方もいらっしゃるかもしれません。
そこで、山本五十六の言葉をここで紹介します。
やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、
Wikipediaより引用
ほめてやらねば、人は動かじ。
山本五十六
まずは小さな仕事から任せて、その間に色々な仕事を見せ、
どこでどのような仕事が行われていて、どのように重要なのかを聞かせて、
そこから、小さなことを任せて、できたことにお礼を言う。
この繰り返しで、徐々に仕事を大きく任せていけば自ずと自信は生まれてきます。
可能な限りみんなの前で褒める。
褒める時、お礼を言う時はできる限り多くの人前の方が有効です。
特に他の社員の前やチーム内で褒め称えるとチームの士気もあがりますし、褒められた人は自信をつけることができます。
7回繰り返すつもりで。
人は一度に全てを覚えられません。
それはたとえメモを取っていたとしてもです。
なので、メモをとっているからと言って、一度で全て覚えろというのは酷な話です。
新入社員は自分なりに頭をたくさん働かせて動いています。(例えそうは見えなくても)
必ず自分なりの信念があり、得意なことや不得意なこともあります。
なので、「自分は新入社員の時に1回で頑張ってできたんだから、こいつも頑張ったらできるだろう。できないのは頑張ってないからだ」と自分と比較して押し付けるのではなく、その人なりのやり方で、できるまでやらせてみてください。(会社が許す限り)
対策8、約束は守る。守れなかったら謝る。
これも早期退職をする1つの原因になり得ることで、「上司がミスした際にはそれを認めることができる社風かどうか」ということは新入社員は見ています。
新入社員はたくさんミスをしますので、注意されることに敏感になっています。
そういったタイミングで上司がミスに対して不誠実な対応をとるとすぐに信頼を失ってしまいかねません。
忘れていたことや、自分の過ちは素直に認めて謝れることは、信頼を得るための重要なポイントになります。
【+α】知ってる?!「HSP」と呼ばれる人たち
最後に、最近このような言葉が出てきたことをご存知でしょうか。
これは「Highly Sensitive Parson」の略で「とても繊細な人」という意味です。
日本人の5人に1人がこれにあたるとされ、最近は書籍や、ブログ、SNSでも、目にする機会が少し出てきました。
どんな特徴があるのでしょうか。
1、【処理の深さ】
物事の処理が慎重なので、決断が遅くなってしまうことがあります。
2、【刺激過多】
少しの刺激でもそこから多くの情報をキャッチするので、エネルギーを消費しやすい傾向があります。
3、【感受反応の強さと共感性】
見たもの聞いたものなどへの感情的な反応が強く、その空気に引っ張られることがあります。
なので、周りで誰かが怒られていたりすると、怒っている人や怒られる人に共感してしまい、気分が高まったり、落ち込んだりすることがあります。
4、【微妙なことへの敏感さ】
HSPの方は他人が気づかないような小さな変化にも気づくことがあります。
対人関係においては、表情、声色、言動などから情報を読み取り、共感能力に活かしたりします。
特に自分の奥が身の危険に対する察知能力が高く、重大なミスは犯しにくいなどの傾向があります。
以上です。
5人に1人なので、きっとあなたの周りにも何人かいるかと思われます。
「アイツあんなちょっとしたことで落ち込みすぎだろ…。」と言われる人はHSPなのかもしれません。
そういったタイプの人もいる、と思って仕事を進めることは、丁寧な対応が求められることになり、結果として、HSPではない人に対しても好影響を及ぼす場合があるので、知っておいて損はないかと思います。
若者は薄情なのではなく合理的。
年金需給年齢もジリジリ上がり続け、消費税も上がり続け、貧富の差は広がり、そこに老後2000万円問題が出てきて、若者は将来に不安を抱いており、少しでも自分が安住できる地を求めるのは、合理的な流れだと言えます。
転職サイトを見てみても、働ける場所はたくさんあり、転職も容易になっています。
そういった中で、新入社員を会社に定着させ、会社の業績アップのために育てていくことは会社にとっても、新入社員にとってもいいことばかりです。
飲みにいく前に、まず社内で気兼ねなく話せる関係に
飲みに行くことで関係を深めることもできます。しかし、若い新入社員は気を遣う社内の上司との飲みよりは、学生時代の同僚と飲むことの方が楽しいのです。
一方で、会社の人とざっくばらんに会社の話をしたい、という気持ちもあります。社内ではあまりに些細で聞けないことや、上司のプライベートのことなど、聞きたいこともある人もいます。
そんな中で飲みにいくのであれば、「この上司ならいったら楽しそう」とか「何か相談できそう」という期待感を少しでも持たせるために、社内のちょっとしたタイミングで仕事と関係のない話などをしておくといいでしょう。
そうすれば新入社員の方から飲みに行きたい!と思ってもらえるだけでなく、日常のコミュニケーションがスムーズになり、仕事でもいい影響が出てくるでしょう。
大切なのは、たくさん話を聞くこと。
普段は仕事に関して、言われるがままに動く新入社員ですが、当然ながら色々なことを感じながら仕事をしています。
中には「こんなことは言うまでもない」「自分が悪いから」と決めつけて、抱え込んでいる新入社員もいます。
そんな社員は一度や二度聞いただけではあまり自分の本心の話をしません。
自分の中で改善点を探して、実行しているかもしれません。
中には人に任せるべきことも、自分で抱え込んでしまっていることもあります。
仕事でもそれが影響してくる場合もあるので、つぶさに悩みを聞いておくことはミスを起こさせないためにも重要だと言えるでしょう。
社員の顔色のチェックをしておく
新入社員だけに限らず、社内外で会う社員の顔が、「疲れがたまっている」「暗い」場合は注意が必要です。
1人だけでなく、複数名以上の社員を見て判断する必要がありますが、どこか疲れている表情をしたり、暗い表情をしていたりすれば、何かネガティブな気持ちが溜まっている可能性が高いと考えられます。
日ごろから、社員同士の会話や、声色、顔色も見ておくようにすると社員の変化にいち早く気づくことができるでしょう。
まとめ
1、ギャップを理解する。
2、指示は具体的に。
3、武勇伝より、失敗談を。
4、ミスをさせない。
5、小さな成功体験を
6、新入社員は一人前の“ように”扱う。
7、褒めて、認めて、お礼を言う。
8、約束を守る。守れなかったら謝る。
会社にとっても、新入社員にとっても、長く働ける職場である方がメリットが大きいです。
そんな無駄を生まないためにも、常に社員が何を望み、どんな不満を抱いているのかということを考えなければ、その企業は柔軟性を失い、やがては破裂してしまいます。
そうならないためにも、日頃から社員の状態をチェックし、早めに対策を打って、人材の流出を防ぎ、会社を繁栄させていってください!