こんにちは!こんばんは!女性営業マンとして日々奮闘している「なっちゃん」です!
耳にタコができるくらい聞いているフレーズ【顧客情報は宝の山】。
頭ではわかってはいるものの、なんだか今、宝の持ち腐れになっているような気がしませんか。このままにしておくのはもったいないですよね…。
そこで今回のテーマは【効果的な顧客情報管理とその活用法とは?】がテーマです。
営業マン個人の顧客管理に必要な情報や活用法だけでなく、システム管理者の導入時の選び方や営業マンの本音までお伝えしていきますね。
今持っている顧客情報を活かすことができると、きっと顧客満足度向上や営業力の強化につながりますよ!
目次
営業部隊がいる企業にオススメの顧客情報管理の方法
まず、こちらでは「SFA」と「CRM」をご紹介します。
こちらの違いがよく分からない、という声も多いようですが
- 「SFAは【営業】を支援することに重きを置いている」
- 「CRMは【顧客】満足を高めることに重きを置いている」
と思って読んでみてください。
Q.SFAとは?
A.営業支援を目指したシステム。
「勘」「根性」「経験」の営業から「科学的」「自動的」な営業に営業を改善するという米国から1995年頃にやってきた概念・システム。Q.CRMとは?
A.顧客満足度と顧客ロイヤルティの向上を通して、売上の拡大と収益性の向上を目指す経営戦略/手法。ここではシステムを指してお話します。
SFA
先に説明した通り、SFAとは訳すと「営業支援システム」です。
【SFAのメリット3つ】
営業の情報資産を活用できる
これまでの訪問記録や提案内容、商談情報といった顧客情報を共有できるようになります。顧客の状況に応じてより的確で効果的な営業アプローチが可能になるでしょう。
営業活動の見える化ができる
口頭ベースや紙ベースでの報告を行っている場合は、SFAの導入でマネジメント層にとっても営業担当の営業プロセスが把握しやすくなります。営業マンに負担を掛けなくても、適格な指示や的を絞った指導ができます。
グラフや表組など視認性の高いデータとして表示できる
比較検討が容易にできるようになることで、分析の効率アップにも貢献します。
【SFAのデメリット3つ】
ITコストが発生する
導入してシステムを使いこなせていないことや費用がかかりすぎるといった事例も多く、失敗することがよくあります。導入前に自社の課題を洗い出し、必要な機能を決めておいて最もコストパフォーマンスがいいシステムを選ぶことが必要です。
営業活動をSFAのシステムに入力する時間がかかる
情報を細かく記載しようと入力1件につき10分使うと、6件営業しただけで1時間使ってしまいます。特に導入初期は慣れるのに時間がかかります。
目的が浸透しないとただの日報
目的がいつの間にか「売上アップ」「顧客満足度向上に活かす」というところから「行動管理」とすり替わってしまう例も多いです。営業マンは「管理されている」という意識が強くなりがちです。
【SFA向きのケース】
- 営業活動状況を見える化したい
- 営業活動を効率化したい
- 営業の予定や実績を管理したい
CRM
多くの企業で導入が急がれているCRM。
CRMとは何をするもので、どのようなメリットがあるのか具体的には知らない、という方も多いのではないでしょか。
こちらの動画が「CRMにできること」をわかりやすく表していると思いますので一度ご覧ください。
動画の中でも「メリット」が語られています。こちらでは、SFAと被りがちなメリットを極力省いてご紹介します。
【CRMのメリット3つ】
顧客情報を一元的に管理できる
会社名や部署名などの「顧客属性」、購入した製品やサービスなどの「購買履歴」、累計売上や購買頻度などの「収益性」をすべて蓄積できます。共有、活用できる情報の幅の広さが魅力です。
プロモーションの機能が充実しているものが多い
メール一斉送信やメルマガの宛先管理、配信管理などをしてくれるものもあります。この辺りのプロモーション機能は様々用意されているので、「自社は何をしたいのか」がぶれていなければ「これをやりたかった!」というシステムが見つかりやすいでしょう。
顧客にとってもメリットを用意できる
例えばホームページに顧客個人の「マイページ」が用意され、そこで自分の興味分野の情報のみを受け取るような設定もできるものもあります。顧客にとっても情報を効率的に入手することが可能になります。
【CRMのデメリット】
高コストがかかる
多機能であるがゆえに、当然コストがかかります。インフラ調達からパッケージを含めた導入コストだけでなく、日々の運用にかかわる運用コストもかかってきます。
費用対効果がわかりにくい
CRMを導入してから、効果が出始めるまでにはある程度時間がかかります。CRMの導入で顧客満足度や売り上げの向上がこれだけ上がった!という数値が出るわけではありません。あくまで体感です。
目的が浸透しないとただの「顧客情報データベース」の構築
データは活かされてこそ意味があります。しかし経営層やマーケティング担当、営業担当に目的の意識が薄いと、データベースを作るだけなら他のシステムでよかったのでは?となりがちです。
【CRMに向いているケース】
- 多くの顧客を抱え、且つ全社の多岐にわたる活動で顧客情報を活用したい
- 既存のSFAに満足できずオリジナリティがあるシステムを作りたい
- 自社の課題が「顧客満足度向上」である場合
SFA・CRM以外でオススメの顧客情報管理の方法
営業マンにとっては、SFAやCRMを使った顧客情報管理が管理しやすくかつうまく使えば業務効率改善も図れ、一番使用してほしいシステムだと思います。
エクセルや会計管理ソフトでの顧客管理方法を現在とっていて、且つ、営業力や顧客満足度向上を推進したい場合はSFAやCRMの導入の検討がいいと思います。と、営業マンの私が言ってます(笑)
しかし管理者側はいろんな角度から見なければいけないと思いますので、それぞれの方法にどのようなメリットやデメリットがあるのか、代表的なものを上げていますので見ていきましょう。
エクセル
最初からパソコンに搭載されているエクセルで顧客情報を管理している、という企業も多いのではないでしょうか。エクセルによる管理は、顧客情報を手動で入力して保存・管理します。
【エクセルのメリット3つ】
追加の費用が掛からない
企業が備品として購入したパソコンであれば、マイクロソフト社のエクセルも最初に導入している場合が多いです。計算式だけだと思いがちですが、見やすく工夫をすることで、お金を掛けずに立派に顧客管理をすることができます。
ネット上に無料テンプレートが公開されている
エクセルには、ネット上に向けた無料のテンプレートが公開されています。テンプレートを使えば自分で設定することなくそのまま使えます。
操作に慣れており教育コストが少なくて済む
エクセルは、多くの人が使い慣れているソフトです。操作に慣れているエクセルなら、ウェブで検索を掛ければ大抵わかるので、改めて講習会などで学ぶ必要がなくなります。
【エクセルのデメリット」3つ】
管理件数が増えるとデータの管理が困難
エクセルのシートで顧客情報の管理をしていると、顧客情報が増えていくほどエクセルの動作が重くなり管理がしきれなくなってしまいます。エクセルでは顧客情報の蓄積は難しいといえるでしょう。
複数のスタッフが一度に作業できない
編集作業ができるのは、一人だけなので複数人での作業ができません。エクセルでの顧客情報管理は、非常に効率が悪いという弱点があります。
上書きやデータ消去などのミスが起こりうる
エクセルは、共有者がデータを確認せず、うっかり上書きをしてしまいデータを消去してしまうミスを起こす可能性があります。
【エクセル向きのケース】
- 初めて顧客管理するケース
- 顧客がまだ少ない中小企業や個人事業主
- 必要最小限の情報だけでいいという限られた用途のケース
会計管理ソフト
会計管理ソフトは、経理などの経済情報や経済状態を管理するソフトです。主に顧客の購買情報などを管理しています。
【会計管理ソフトのメリット3つ】
売り上げや取引などの購買履歴情報を統合的に管理できる
顧客が限定される企業であれば、会計管理と顧客情報が一緒に管理できます。
それぞれの顧客の購買履歴などの情報をすでに管理できていることが多い
購買履歴情報をもとにアプローチの優先順位を決められます。単価を上げたり、一顧客あたりの購入点数を増やすなどの戦略作りの基礎データの1つとして利用することも可能です。
費用が多くかからない
もうすでに会計管理ソフトを導入している場合は、後はこのツールで他の業務にも活用する、という使い方になりますので、システムの導入コストはかかりません。
【会計管理ソフトのデメリット3つ】
機能が限定される
顧客情報を事業戦略、マーケティング活動に活用したいと考える企業にとって、十分な役割を果たしません。そもそもが「会計管理用」として作られているのであって、他の用途用としては作られてないので仕方ないです。
定性的なデータ管理に適していない
購入量などを数字で表すことは得意なソフトではあるものの、購入理由などを管理することには向いてはいません。
そもそも会計管理を行う部署に向けて開発されたもの
会計管理を行う部署の方にとっては非常に使い勝手が良くても、使用者がマーケティング担当者や営業担当の場合はわかりにくいものとなるでしょう。
【会計管理ソフト向きのケース】
- 企業の事業子会社のように親会社の特定業務だけを請け負うような企業
- 顧客が限定されている企業
- 小売り・サービス業・美理容・個人事業主
効果的な顧客情報管理方法は「目的」によって決まる
今、どのような顧客管理システムを使っていますか。また、システム管理者はどのような方法を取ろうとしていますか。
顧客管理の方法には、先ほどご紹介した通り、紙ベース、エクセル、会計管理ソフト、SFA、CRMなど、さまざまな管理方法があります。会社でシステムが決まっていることが多いので、なかなか営業マン個人で根本のやり方を変えることは難しいですよね。
しかし、どんな管理方法を取っていたとしても、営業マンとして共通して大切なのは、その顧客情報管理をどう活用するのか?だと思います。
顧客情報から導き出せる営業施策は上層部にお任せするとして、営業マン自身でも活用ありきで顧客管理をしていかないと、それこそ宝の持ち腐れになってしまいます。
では顧客情報をどう活用するのか?できるのか?をまず考えていきましょう。顧客情報管理で何を残せばいいのか?が見えてくるはずです。
営業マンにとって顧客情報管理を行う目的
離れた顧客にもう一度戻ってきてもらう
以前離れてしまった顧客をそのままにしていませんか。
何かアクションを起こさない限りは、その顧客は離れたままです。新たに顧客を開拓するのも方法としてありますが、やはり「今いる顧客は宝」です。
一度は、自社や自社商品のファンになってくれたお客様です。労力の面でも、戻ってきてくれやすいと言われています。
一度その顧客の購買履歴や同じ属性の顧客を分析してみましょう。その顧客のニーズを把握し、そのニーズに合わせた新しい提案をできるかもしれません。
いつも購入してくれていた商品があれば、割引が出来たなど新たなご案内をできることもあります。
既存顧客のフォロー
「営業にとってインターネットもライバルだ」と言われて、既存顧客のフォローに力を入れようとしている方もいらっしゃるかもしれませんね。私も既存顧客のフォローにも力を入れていました。
既存顧客に対しても、顧客情報管理をすることでより細やかに対応をすることが出来ます。
既存顧客は、自社や自社商品もしくは営業マンに魅力を感じて商品を購入をしてくださっています。
お得なキャンペーン情報を配信したり、継続して購入してくれる顧客にできるご提案があったりなど、さらに自社のファンになってもらえるような活動ができます。
既存顧客との関係性を構築し、より取引を長く続けてもらうことが、顧客情報管理の大事な活かし方になります。
成功事例やクレーム事例の蓄積
購買履歴を管理できるということは、「お客様が自社製品やサービスを選んでお金を払ってくださった」記録なんですから、成功事例も蓄積できるということになります。
要はその顧客が「どんな属性のお客様で」「何の課題があって」「どんな目的で」「何を」購入したか、のパターンなどがわかるようになります。
見込み客を新規顧客にしたい場合、既存顧客への新商品の案内時、どちらにも言えることですが、同じような属性の顧客の時に「どんな手法で営業活動をしたらうまくいったか」がわかるのは強みになりますよね。
また、お問い合わせやクレームなどの履歴はもちろん必要です。顧客との面談の前に以前に起こったことの把握漏れがあると新たなクレームを招いてしまう恐れがあるのは営業マンであれば想像に難くないと思います。
営業マンにとって残すべき顧客情報とは
前述の目的から、営業マンにとって効果的な顧客情報管理を行うためには、
・課題やニーズ
・購入履歴
・契約が不成立になった場合の提案商品や要因の履歴
・取引や交渉の履歴
・お問い合わせやクレームなどの履歴
の情報を必ず取っておくことが必要です。
紙ベースやエクセルでは大変かもしれませんが、情報を残しておかないと異動や退職の時に引き継ぎがスムーズに行われない恐れもあります。私は最低でもこれらの情報がないと営業マンにとって顧客情報管理を行う意味がないのではないかな?とさえ思います。
すでにSFAやCRMで顧客情報管理が行われている事業所であればラッキーですね!これらの情報は必ず残しておきましょう。
そして「新商品が出た際のアプローチ先の洗い出し」「訪問する機会があるのであれば他に何か話ができるサービスなどはないか」など、すぐに情報を使える状態で残しておきましょう。
顧客情報管理のリアルな失敗例―営業マンサイド―
なぜここまで活用の必要性を述べているかというと、一度失敗の経験があるからです。
せっかく、システム管理者側が営業目線に立ってくれていいシステムを導入しても、営業マンサイドが使わなければ意味がないですよね。
私の事業所では、顧客情報管理はCRMのシステムを使用していましたが、ただ営業マンが履歴を残すためだけのものになっていました。そう、まさしく「ただ入力しているだけ」です。なんのためにやっているのかも考えていませんでした。
誰が今担当しているかはわかりますが「訪問。○○部長と面談」のみの入力で、何を購入してくださっている顧客なのかも使いこなしていないのでぱっと見はわかりません。
結局、購入履歴は紙ベースの記録を探して確認したり、購入済みの商品を案内してしまったり。クレームが以前にあったにも関わらず、事前に情報を見ずに訪問して新たなクレームを招いてしまった…というケースもありました。
今は活用してターゲットの選定等にも使っているようですが、営業マン側に「何のためにやっているか」という意識がなければあまり意味がなかった、というお話をシェアしておきますね。
システム管理者側は何を基準に方法を選ぶべきか
では「システム導入者・管理者側がシステムの採用を検討する場合は何がポイントになるか」ですが、やはり顧客情報管理をすることによって企業として何をしたいのか?の「目的」がまず大事です。
まず顧客情報管理とは、顧客の属性や趣向などといった多面的な情報を一元管理することです。管理を行うことで、顧客のそれぞれのニーズを深く把握するとともに、LTVの最大化を目指すことが顧客情報管理の主目的になります。
Q.LTVとは?
A.顧客生涯価値(こきゃくしょうがいかち、Lifetime Value、LTV)。企業にとってある一人の顧客が生涯にわたって企業にもたらした価値の合計を言う。
企業側から一人のお客さんを見たときに「どれだけの商品やサービスを購入してくれているか」は多いほうがいいですし、「どれだけ企業がそのお客さんにお金を使っているか」は少ないほうがいいですよね。
しかし一般論的な「目的」だけでは不十分です。顧客情報管理を整備しようと思うにあたって、自社ならではの課題や考慮しておくべき要素があるはずです。
自社の課題を先に考えることで導入後のミスマッチを防ぐ
例え話ですが、「移動(=顧客情報管理)できればそれでいい」とそれだけ考えていたら、最新の多機能のかっこいいスポーツカーを買ったとしても、実際自分に必要だったのは軽バンだった、ということがあり得ますよね。
そんなことにならないために、「通勤用で」「こういう使い方をするかもしれないからこういうのがいい」「でも四駆はいらない」「家族は○人で」「予算は…」など大体のイメージを持って車屋さんに向かっているはずです。
・顧客も少ないしメルマガを発行するためにメールアドレスを最低限管理出来たらそれでいい。
・施策立案だけでなく、営業部隊の業務効率改善も図りたい。
など、企業ごとによってやりたいことや課題が異なっているものと思います。
ミスマッチを防ぐために、情報管理システムを検討する前にも、自社に合ったものは何か?自社の課題を解決できるものはどんなことができるシステムか?誰が使うのか?などを事前に考えておくのをおすすめします。
顧客情報管理のリアルな失敗例―システム導入者サイド―
CRMの「デメリット」の部分でも書いた「目的が浸透しないとただの顧客情報データベースの構築」。これが私のオフィスでも起こりました。
おそらく導入を検討、決定、運用してくださった部門の人たちは、私たち営業マンに最適なものを考えて選んでくださったことと思います。
しかし、現場では「またやることが増えた」という認識にしかならなかったのです。
あろうことか今までの紙ベースの管理カードに手書きで情報を書き込み、さらにシステムに入力する、という二度手間を現場では長い間続けました。
事前にすり合わせや導入意図を浸透させるのがおすすめ
現場の知らないところで話が進んでいたのでしょう。
ある日「来月からこれで管理して」とシステムの使い方の説明だけを受けたのみだったからかもしれません。
「なんの目的でやるのか」「紙ベースからシステムに変わることで何ができるようになるか」などはわかっていませんでした。
難しいかもしれませんが、何らかのシステムを採用を考えている場合は、採用前に使用する立場の人たちと考え方のベクトルを合わせておいたほうがより効果的になるのではないかと思います。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は、【営業マンから見た顧客情報管理】【システムを検討している管理者から見た顧客情報管理】についてお伝えしました。
企業のやりたいことによって顧客情報の管理方法は異なってくる、ということですね!
そして営業マンは、実際に営業活動に活かせるような情報を残していきましょう!ビジネスチャンスにつながる財産になればいいな、と思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。