こんにちは!こんばんは!女性営業マンとして日々奮闘しているなっちゃんです!
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今回は収益認識に関する包括的な会計基準となる企業会計基準第29号「収益認識に関する会計基準」である新会計基準について解説します。
「収益認識ってそもそも何?」
「中小企業は関係しないの?」
「会計のどの部分に影響するのか分からない」
こういった疑問があるかと思います。しかし、このまま放置したままにすると、取引先やステークホルダーなどの関係者に対して迷惑を掛けてしまいかねません。
こちらの記事では目的や経緯も含めて解説しますので、是非参考にしていただければと思います。
目次
新会計基準(収益認識に関する会計基準)とは
こちらは一言で言うと収益の計上、売上の計上方法が変わった事を指し示します。これまでは収益認識における会計基準はなく、各々の会社で独特に収益を計上していました。
ただ、これだと会社ごとに財務諸表を参照しても同じ収益の金額でも計上の仕方がバラバラなので、分かりにくい状態で同じ収益の会社に見えなくなってしまうリスクを抱えてしまっています。
収益認識に関する会計基準の実施の経緯
そこで収益認識に関しての会計基準を統一する事になりました。こちらは国際会計基準(IFRS)の会計基準に則したものになっていて、採用することで海外での資金調達や国際的に財務状況の比較がしやすくなります。
新会計基準に影響される企業とは
2021年4月から上場企業への適用が始まりました。上場していない中小企業は関係ないかというと、取引先に上場企業がいる場合、商品やコンテンツの販売方法に影響があります。
よって押さえておいた方が上場企業に適切なサービスを提供出来るかと思います。
また上場企業で会計の金額や時期が新会計基準によって変更になった場合に、その上場企業と取引している中小企業は同じく新会計基準に沿うような形で会計を変えてもらうように依頼されることもあるでしょう。
資金繰り等のファイナンスの計画も場合によって見直しが必要になる場合があります。
取引先の上場企業と会計が合わなくなるのは避けたいですね。
従来までの売上計上基準
従来までは上場会社が金融商品取引法に基づいて財務諸表を作成する際に用語や様式、作成方法などを定めているルールである財務諸表等規則において、「実現主義」という考えが採用されていました。
ここでいう実現とは、財貨または役務の移転(商品の引渡し等)と、これに対する現金等価物(現金・売掛金・受取手形等)の取得のことをいいます。
新会計基準の概要
今回の収益認識に5つのステップで概要を説明していきます。
- 顧客との契約を識別
- 契約における履行義務を識別
- 取引価格の算定
- 契約における履行義務に取引価格を配分
- 履行義務を充足した時に、または充足するにつれて収益を認識
また、こちらの具体例をともにして説明していきます。
【例:A社の条件】
- A社はパソコンの販売とそのパソコンの保守サービス(2年間)を提供する契約を締結した。
- 商品は当期首に引き渡し、保守サービスは当期首含めて2年間まで提供する。
- 契約書に記載された対価の額は、総額で40万円となっている。
- パソコンの販売の独立販売価格は35万円、パソコンの保守サービスの独立販売価格は15万円とする。
顧客との契約を識別
収益認識に相当する契約を特定します。今回の例ではパソコンの販売とパソコンの保守サービスが収益に相当する契約になります。
契約における履行義務を識別
今回の例ではパソコンの販売とパソコンの保守サービスはこれらはそれぞれ別のコンテンツを提供するという契約になりますので、この2つの契約を分けて考えます。
顧客との契約において財又はサービスを顧客に移転する約束をすることです。
取引価格の算定
サービスの顧客への移転や交換に伴い、こちらが受け取る取引価格がいくらなのか、パソコンの販売とパソコンの保守サービスの取引価格を算出しましょう。ここでは、40万円となっています。
取引価格の配分は、パソコンの販売とパソコンの保守サービスが個別に提供された場合の販売価額をもとに行われます。
ここではセットとして契約する事で実質10万円が値引きされているので、この10万円の値引きの配分を以下のように計算します。
10/(35+15)*35=7 パソコンの販売価格への値引きの金額
10/(35+15)*15=3 パソコンの保守サービスへの値引きの金額
よってパソコンの販売の価格は28万円、パソコンの保守サービスは12万円とします。
履行義務を充足した時に、または充足するにつれて収益を認識
こちらは収益を会計に計上するタイミングについてのガイドラインになります。履行義務を充足した時というのは、ここでは、パソコンの販売については当期首に28万円まとめて計上します。
パソコンの保守サービスに関しては当期に6万円、翌期に6万円ずつ計上します。
新会計基準での気をつけるポイント
気をつけるポイントを要点別に順番に説明していきます。
ポイントも対象になる
付与したポイントはそのポイントと引き換えにコンテンツを受け取れるモノであると捉えます。つまり販売価格に対して、負債として付与したポイント分を売上から差し引いて計上します。
企業によってRPAなどのパッケージソフトでシステムを組んでいる場合があるかと思いますが、システムが新会計基準に対応していない場合は改修する必要があります。
出荷時点の収益計上が出来ない
工場から出荷した時点で収益や売上計上をする企業があるかと思いますが、今回の新会計基準では履行義務が充足されたかどうかでタイミングが決まります。
よって工場出荷時ではなく、相手に渡った瞬間の計上のタイミングが望ましくなります。
専門のコンサルティング企業にも相談
以上のように新会計基準における変更箇所を説明してきました。ただ企業によっては独特の問題を抱えている場合もあるかと思います。
そこでリスクの業務改善をコンサルティング会社に相談してみる方法もあります。
まとめ
重要な箇所をまとめます。
・新会計基準とは収益認識に関する会計基準で国際会計基準(IFRS)の会計基準に準拠したものになる。
・顧客との契約を識別して適切な取引価格の配分によって収益会計を統一する。
・ポイントの会計上の扱いや出荷時の会計計上の禁止などの副次的に関係する要素にも注意が必要。
個人的には他の上場企業だけの対応が必要になるとはいえ、中小の未上場企業でも独立販売価格を設ける必要等があり、対応が必要になってくるので、色々な方が対応していく必要があるかと思います。
ここまでお読みくださり、ありがとうございました。